後半では華やかな観光もできます。海沿いの花火大会を見たり。前半で先住民の歴史や伝統的な農場のことを学ぶので、華やかさだけではないものに注目していく学生が多いです。例えば、ハワイ語で書いてある標識が気になって探したり、観光客が見ないような部分に着目します。日系人も多いので、日本のお寺に行ってBBQをしたり、ハワイ大学の移民研究所に行ってお話を聞いたり、日本の文化の継承の現状を学びながら現地の人たちと交流できます。日本沖縄センターへ見学もしたのですが、ハワイと沖縄は、移民や戦争体験などの共通点も多く、それらの歴史について知ることもできます。

地域創生はきっかけづくりだと思っています。10日間でハワイの魅力をぎゅっと盛り込んだプログラムなので、それだけですべてを知ることはできないけど、ハワイ以外の地域でも同じテーマで社会を見つめるきっかけになれば良いですね。

まずは、民族の多様性の側面。ハワイは小さな島の中に、日系人・ポリネシアン系の先住民・ヨーロッパやアジア、アメリカ本土などいろんなルーツの人が住んでいます。日系人は、一時期4割もいました。移民によって社会が構成されているので、人の移動による民族の多様性の歴史から共生社会を考えることができます。

2つ目は、日本との戦争の歴史です。狭間にいる日系人との関連性もあります。私たち日本人は日本側から見える歴史しか知らないですが、日本以外の国から見るという平和教育・平和学習は貴重ですよね。

最後に、「楽園」というイメージが強いハワイがある一方で、先住民の人たちがハワイ文化を大切にした農法を守って経営している農場があることです。ハワイのもう一つの顔といえますね。ハワイ文化を大切にするカメハメハ財団という団体があって、観光ビジネスをうまく自分たちの大切な文化の継承に生かせる形を築いているんです。